出演: ジョン・ロング
本作はアイマックス・シアター向けに制作された40分間の世界紀行。大地に足を着けて生きる、今や残り少なくなった人々に焦点を当てている。彼らの声に耳を傾けるべきだ、とナレーターのロバート・レッドフォードは言う。なぜなら、ほかの文明にない内なる平和を彼らは持っているから、と本作は主張したいらしい(それを裏付けるかのように、都市の生活が映画『コヤニスカッティ』ばりの早回し映像で登場)。
確かに、彼らの住む世界は素晴らしい。アメリカの砂漠地帯、ボルネオの熱帯雨林、アラスカの岩海岸、アフリカの大平原.。しかし、アイマックス用ドキュメンタリーの中では、もっとも内容が薄い作品のひとつだろう。壮麗なパノラマを映し出す巨大なアイマックス・スクリーンが欠けている以上(家ほどのサイズのモニターをお持ちなら話は別だが)、軽い気晴らしとして楽しむのが得策だ。同様のメッセージをより面白く効果的に届けてくれる作品ならば、過去に何本も存在したのだから。