出演: ホアキン・フェニックス/エイドリアン・ブロディ
超常現象(らしきものも含め)を題材にしたセンセーショナルな作品を作り続け、つねに賛否両論を起こしてきたM.ナイト・シャマラン監督。本作では、「周囲の森に入ってはいけない=外の世界を知ってはいけない」などの掟を守り、隔離された生活を続ける村人たちのミステリーに挑む。好奇心旺盛な青年ルシアスが森に足を踏み入れると決意したとき、森の中の「何か」が村人に恐ろしい警告を発し始めるが.。
19世紀の、のどかな村。警告の鐘、忌まわしいとされる赤という色。映画の冒頭から、物語の「秘密」への伏線らしき要素が次々と提示される。恐ろしい何かが”出そうで出ない”雰囲気で緊張感がじわじわと高まり、「何か」の正体が分かった瞬間、素直に驚くか、あるいはがっかりするかで、本作の好き嫌いが決まるかもしれない。ただシャマランの前3作とは違って、その後も複雑な展開が続き、愛のドラマに焦点を当てたのが本作の特色。俳優たちも上質な演技を見せるが、シャマラン作品の常として、ポイントとなる場面での過剰な演出が空回りしているのも事実だ。その”過剰さ”もシャマランの魅力ではあるのだが.。