ソウルの女王、アレサ・フランクリンの栄光と苦難の道
人類の歴史に偉大な足跡を残す「天才」たちの波乱に満ちた人生をドラマ化し、テレビ界最高の栄誉であるエミー賞にも輝いたナショナル ジオグラフィックのアンソロジーシリーズ『ジーニアス』。シーズン1のアインシュタイン、シーズン2のピカソに続いて、シーズン3では「ソウルの女王」の異名を取り、2018年に惜しまれつつこの世を去った20世紀を代表する女性シンガー、アレサ・フランクリンの栄光と苦難の道を辿っていく。
50年以上にも及ぶキャリアで7500万枚以上ものレコードを売り上げ、グラミー賞やアメリカン・ミュージック・アワードなど数々の音楽賞を受賞したアレサ。魂の込められたパワフルでエネルギッシュな歌声は、国境も世代も肌の色の違いも越えて世界中の人々に多大な影響を与え、ソウル・ミュージックをメジャーなジャンルへと押し上げる立役者ともなった。そればかりか、人権活動家として公民権運動やウーマンリブ運動にも深く関わり、平等で公平な社会の実現を望む全ての人々の精神的な支えとなったのである。
かつての音楽を愛するシャイで物静かな少女アレサが、いかにして偉大な「ソウルの女王」へと成長したのか。本作では有名な牧師だった父親の後押しでゴスペルを歌い始めた12歳の頃、アトランティック・レコードへ移籍してソウル・シンガーへの道を歩むようになった60年代半ば、時代の寵児として注目され公民権運動にも携わった60年代末、傑作アルバム『ヤング・ギフティッド・アンド・ブラック』を発表した70年代初頭、ディスコ・ブームに押されてキャリアが低迷した70年代後半、アリスタ・レコードの社長クライヴ・デイヴィスの助力で再起を賭けた80年代半ばなど、重要なターニングポイントとなった時代に焦点を絞り、時間軸を自在に行き来しながら、幾多の困難を乗り越えて天賦の才を開花させたアレサの軌跡を全8話で描く。