出演: 青山良彦, 川崎あかね
監督: 黒田義之
4000年の眠りから覚めた吸血妖怪ダイモンが、バビロニアの古都ウル遺跡から日本に襲来。対する河童、雲外鏡、二面女ら日本妖怪たちは、全力を挙げてダイモン討伐を試みる。
永田雅一時代の大映が得意とした、妖怪ものの一編で、特撮映画を得意とする黒田義之が監督。なんといっても画面を埋め尽くす、妖怪たちのキャラクターが楽しい。本来はお化けなのだから、人間にとっては恐怖の対象なのだが、この映画での妖怪たちは、時と場合に応じて人間たちと共闘し、海外妖怪ダイモンに挑んでいく。そのダイモンは、どこかユーモラスな外観の日本妖怪たちとは異なり、いかにも悪辣な表情、そして魔王然とした存在感が圧倒的。
2005年に三池崇史監督の手で再映画化された「妖怪大戦争」だが、CG妖怪たちが飛び回る平成バージョンに対して、こちらは素朴ではあるが、ひとりひとりのキャラを大切にした映像作りがなされている。(斉藤守彦)