出演 : 真田広之, 葉月里緒菜
監督 : 篠田正浩
若き芸術家たちの恋、野心、そして情熱・・・
18世紀、江戸の人口は百万を数え、それまで京都・大阪中心の政治経済が江戸へ移行し、文化面でも独創性を発揮しはじめていた。この時代、北斎、一九、馬琴ら若き芸術家が、江戸の名プロデューサーと謳われた版元、蔦屋重三郎のまわりにいた。その一人歌麿は蔦重の手腕により、天才絵師といわれるまでに育っていた。しかしその頃、江戸庶民文化の興隆に危機感を抱いた老中、松平定信は厳しい弾圧を加えようとしていた。蔦重がその標的となりつつあることを察した歌麿は、言い寄ってきた別の版元へ鞍替えしてしまう。歌麿を失った痛手は蔦重にとって大きかった。歌麿の寝返りを苦々しく思いながらも蔦重は次なる絵師の掘り起こしに躍起になっていたが、万策が尽きてしまう・・・。
江戸のミステリー、東洲斎写楽現わる
寛政6年5月、蔦重の店で、”東洲斎写楽”を名乗る絵師の奇妙な画風の役者絵が、突然売りに出され町の話題をさらっていた。一方、吉原でもこれまで名の知れなかった絵師の浮世絵が、高価な黒雲母摺り(くらきらずり)で何十枚も売り出されたという噂で持ち切りだった。
歌麿の最大にして最強のライバル写楽
歌麿の豪華絢爛な浮世絵に対抗するかのごとく出現した写楽