原作・脚本・メカデザインが大友克洋、キャラクターデザイン原案が江口寿史という、もしかしたら日本で最も絵がうまい漫画家2人が手を組んだ劇場用SFアニメーション。
近未来、高齢化が進んだ社会に対応するため厚生省が開発した老人介護機械・自己増殖機能をもつ第6世代コンピュータ「Z001号機」。だが、このコンピュータはサンプルに選ばれた老人を取り込み暴走。ボランティア女子大生やマスコミを巻き込んでの大騒動となる。メカ、美少女キャラ、ツボを心得たギャグなど、おたく的な部分にアピールする要素が盛りだくさんだが、それだけにとどまらず、独自に学習しさまざまな機械を取り込んで進化していくコンピュータのイメージはまるで『AKIRA』の金田や『攻殻機動隊』の人形使いを彷彿とさせ、まぎれもない本格的SFに仕上がっている。(田中 元)