出演: 大谷直子, 中村玉緒, 杉本哲太
日本の現在を問う。さまざまなモチーフに挑みつづける。
愛を知り、人は光を放ち始める。
日本近代の基底を貫いた魂を描く珠玉の[映像叙事詩]――完全映画化
明治・大正の農村を舞台に、真の人間の豊かさとは何かを問う。
人間の尊厳を掲げて敢然と差別に抗して立ち上がっていく人々の姿を描いた、住井すゑの大ベストセラー小説『橋のない川』。映画はこの原作をもとに、真の人間の豊かさとは何かを問いながら、全国水平社結成に至るまでの人々の闘いを描く。
1908年(明治41年)、奈良の山村・小森。誠太郎と孝二の幼い兄弟は、父を戦争で失ったが、しっかり者の祖母と心やさしい母に大切に育てられる。だが兄弟は学校や路上で、日ごといじめにあう。小森は被差別部落なのだ。
鋭い感受性に恵まれた幼い兄弟。二人をたくましく育て上げる女たちの優しさと強さ。その家族を中心に、淡くみずみずしい恋、深い友情、そして差別にあらがって敢然と立ち向かう青春群像が、美しい映像で織り上げられていく。毎日映画コンクール日本映画優秀賞、監督賞、撮影賞、美術賞ほか1992年度の映画各賞を多数受賞。日本映画の最高水準を示す名作が誕生した。