誰にでも、忘れられない夏がある――
小学校四年生のアオヤマ君は、一日一日、世界について学び、学んだことをノートに記録する。
毎日努力を劣らず勉強するので、「将来は偉い人間になるだろう」と思っている。
そんなアオヤマ君にとって何より興味深いのは歯科医院の”お姉さん”。
気さくで胸が大きくて、自由奔放でミステリアスなお姉さんを巡る研究も、まじめに続けていた。
ある日、アオヤマ君の住む郊外の街に突如ペンギンが現れ、そして消えた。
さらにアオヤマ君は、お姉さんがふいに投げたコーラの缶がペンギンに変身するのを目撃する。
「この謎を解いてごらん。どうだ、君にはできるか?」
一方、アオヤマ君は、クラスメイのハマモトさんから森の奥にある草原に浮かんだ透明の大きな球体の存在を教えられる。
やがてアオヤマ君は、その謎の球体”海”とペンギン、そしてお姉さんには何かつながりがあるのではないかと考えはじめる。
そんな折、お姉さんの体調に異変が起こり、同時に街は異常現象に見舞われる。
果たして、お姉さんとペンギン、”海”の謎は解けるのか――
少し不思議で、一生忘れない、あの夏が始まる。――