オリジナル・アルバムとしては7年ぶりとなる2枚組30曲入りである。一家にひとつ、音楽の常備箱のような存在となる。25周年に発表した「涙の海で抱かれたい〜SEA OF LOVE〜」をはじめ、2003年以降のシングルも収録されているが、ミックスをし直し、曲によっては新たなダビングも施されている。既にキャリア豊富な彼らだったが、初の試みも目立つのも本アルバムである。たとえば「彩〜Aja〜」は、歌詞で紛うことなき春を描いたということでは最初の作品となる。「愛と欲望の日々」は時代劇主題歌として書き下ろしたが、これもお初の試み。お江戸からTokyoへとワープするかのような、時代考証にしばられない斬新な内容だ。「神の島遥か国」は、サザン流チャンプルー・ミュージックの傑作であり、ひとつの曲のなかにニューオリンズR&Bと沖縄のカチャーシーが同居する。そして、この時期のバンドの熱量と柔軟さを伝えるのが「ごめんよ僕が馬鹿だった」である。メンバーがセッションしながら完成させたが、おのおのが大好きな洋楽の要素を持ち寄り、混ぜ合わせたアンサンブルだった。初期の彼らにはラテン・ロックの印象が強かったが、「BOHBO No.5」はその流れのものでありつつも、四半世紀のキャリアがなければ出せない音圧と、スリリングなアイデアに満ちていた。
収録内容
Disc 1:
01 からっぽのブルース
02 セイシェル ~海の聖者~
03 彩 ~ Aja ~
04 Jump
05 夢と魔法の国
06 神の島遥か国
07 涙の海で抱かれたい ~Sea Of Love~
08 山はありし日のまま
09 ロックンロール・スーパーマン ~Rock’n Roll Superman~
10 Bohbo No.5
11 殺しの接吻 ~Kiss Me Good-Bye~
12 Lonely Woman
13 キラーストリート
14 夢に消えたジュリア
15 限りなき永遠の愛
Disc 2:
01 ごめんよ僕が馬鹿だった
02 八月の詩
03 Doll
04 別離
05 愛と欲望の日々
06 Mr. ブラック・ジャック ~裸の王様~
07 君こそスターだ
08 リボンの騎士
09 愛と死の輪舞
10 恋人は南風
11 恋するレスポール
12 雨上がりにもう一度キスをして
13a The Track For The Japanese Typical Foods Called “Karaage” & “Soba”
13b キラーストリート (Reprise)
14 Friends
15 ひき潮 ~Ebb Tide~