最近やたらと”世界で注目のジャパニメーション・クリエイター”とか”ハリウッドに影響を与える日本人アニメーター”って書くことが多い。宮崎、押井、今..各氏が頑張っているからなのだが、その群に仲間入りを果たそうとしているのが梅津泰臣だ。日本おたくのタランティーノは大絶賛、『トリプルX』のロブ・コーエン監督は『カイト(映題:A KITE)』を実写映画化。それなのに、梅津泰臣という名を知っている人は意外と少ない。というのも、これまでの代表作『イエロースター』『カイト』『メゾフォルテ』はみな、18禁のエロティック・クライム・アクション・アニメなのだ。日本のエロ・アニメのクオリティは高いと評判だが、なかでも梅津作品はキャラクターの可愛らしさ、アクション・シーンの構図やスピード感、エロ場面の細かな動きといった点で群を抜く。\そんなエロ・アニメの人気編『メゾフォルテ』の主人公をそのままに、ハイパー・クライム・アクションな”非エロ・アニメ”として誕生したのが『MEZZO』なのだ。近未来の東京を舞台に、危険な仕事を請け負う危険代行業(通称D.S.A)の活躍を描く。このD.S.Aトリオというのが、少林寺と射撃の達人である美少女、海空来(みくら)、元刑事で大のうどん好きのおっさん、黒川、頭脳明晰なエンジニアのファンキー兄ちゃん、原田。この三人組が不可思議で難解な仕事や事件に挑んでいくわけだ。作画枚数はテレビ・シリーズの域を越え、のっけからド肝を抜くアクションが炸裂、観る者を圧倒するぞ。エロ場面はなくとも、どこか色気を漂わせているのも魅力。そして今回、特に注目していただきたいのが大御所、広川太一郎の起用だ。アドリブの帝王が放つ久々の神業に、感動と笑いの涙がちょちょ切れちゃってたいへ~ん。