人里から遠く離れたジャングルの奥地。 厳しい掟で守られたポケモンたちの楽園、 オコヤの森があった。 そこで仲間たちと暮らしていた頑固者のザルードは、 ある日、川辺で人間の赤ん坊を見つける。 「ニンゲン、これが..」 見捨てられないザルードは、 森の掟に反して、赤ん坊をココと名付け、 群れを離れてふたりで暮らすことを決意する。 ポケモンが人間を育てる生活が始まって10年。 ココはオコヤの森にやってきたサトシとピカチュウに出会う。 初めてできた「ニンゲンの友達」。 自分のことをポケモンだと信じて疑わなかったココの胸の中に、 少しずつ疑問が芽生え始める。 「父ちゃん、オレはニンゲンなの?」 自分はポケモンなのか? それとも人間なのか? 悩むココだったが、ある日、 招かれざる人間の足音が森に近づいてきて、 平穏な日々が一変する――。