出演: 仲代達矢, 三國連太郎, 宇野重吉, 京マチ子, 中村玉緒
監督: 山本薩夫
民政党現総裁の寺田は同党最大派閥の酒井を破り、再び総裁に就任したが、その選挙工作費用で10億円以上の額を使ってしまったことから、寺田陣営はダム工事入札に絡み、5億円を捻出しようとする.。
昭和39年に起きた事件をもとに記された石川達三の同名原作小説をベースに、政財界の内幕と総裁の座を争う政治家たちの姿を『戦争と人間』などの巨匠・山本薩夫監督がオールスター・キャストで描いた社会派大作。「周りは金色の栄光に輝いているが、その中身は真っ黒に腐っている」というのがタイトルの意味だが、その通り、ここにはドロドロに腐った腹黒い者たちが多数登場して蠢きあう。こうした悪党を描かせたら山本監督の右に出る者はいないだろう。またキャスト陣もここではそれぞれ悪人演技を楽しそうに怪演しており、まるで物の怪ショーを観ているかのような快感もある。政治家たちに茶化した拍手を送るつもりで作曲したというメインタイトルなど、ブラックな味わいに満ちた佐藤勝の音楽も出色である。(増當竜也)