「恐縮です」を口ぐせに、有名人のスキャンダルをハイエナのように追いかけては暴露していく嫌われ者の芸能レポーターのキナメリ。そのあくどく無神経で、かつエネルギッシュな行動をとおして、現代社会におけるマスコミとそれに振り回される一般大衆の心の闇を痛切にえぐった問題作。
『水のないプール』 『十階のモスキート』と反社会的映画を企画し、主演してきた内田裕也の面目躍如ともいえる傑作で、自身も同年度のキネマ旬報主演男優賞を受賞。監督は『陰陽師』などで知られる滝田洋二郎で、これが一般映画初演出となった。
梨本勝など実際のレポーターも多数出演。また、製作当時、ロス疑惑事件で話題となっていた三浦和義が本人役で登場したり、さらにはマスコミの面前で行われた豊田商事社長殺害事件を、ビートたけしを犯人にすえて再現するなど、映画の中身も相当にスキャンダラスである。