出演 : 松坂慶子, 真田広之, 佐藤浩市, カルーセル麻紀, 柄本明
監督 : 深作欣二
道頓堀川沿いの喫茶店で働きながら美大に通う画学生の邦彦(真田広之)は、小料理屋の女将まち子(松坂慶子)と出会い、やがて結ばる。喫茶店のマスター竹内(山崎努)には、日本一のハスラーになると言って家を飛び出した息子の政夫(佐藤浩市)のことが気がかりだが..。
宮本輝の同名小説を深作欣二監督が映画化した文芸群像劇。公開時は女性映画的な売り方がなされており、実際その要素も濃厚ではあるのだが、しかし劇中もっとも強くインパクトを与えるのは、山崎努と佐藤浩市の親子関係で、クライマックスの親子ビリヤード対決など、あたかもハスラー映画を観ているかのようなおもしろさ。文芸映画を撮っても、やはり深作映画は深作映画であるという当然の結論を見出せる佳作であった。