中島みゆきのコンサートの魅力は、何と言っても中島みゆきの圧倒的な歌唱力とそれを支える一流ミュージシャンによる生バンド演奏。
今回の『一会』は、これまでの全国ツアーとは異なり、東京・府中の森芸術劇場で開幕した後、東京国際フォーラム、大阪・オリックス劇場と大阪・フェスティバルホールと、敢えて会場を絞ることで音の場を作り込んでいった。
『一会』は新旧の楽曲を織り交ぜた形で構成され、第1部~Sweet~、第2部~Bitter~、第3部~Sincerely Yours~の3部構成で披露された。
~Sweet~と題した第1部は、「もう桟橋に灯りは点らない」を皮切りにスタートし、旅をテーマに「六花」、「樹高千丈 落葉帰根」などの心に沁みる美しいメロディー、さらにはミリオンセラーとなった32thシングル「旅人のうた」などを歌唱。
~Bitter~と題した第2部では、「阿壇の木の下」、35thシングル「命の別名」などメッセージ性の強い歌を披露。ハイライトは今や中島みゆきの代名詞ともなった44thシングル「麦の唄」。紅白を再現したかのような白と金を基調とした衣装で、NHK紅白歌合戦での歌唱シーンを彷彿とさせ会場は感動に包まれた。
~Sincerely Yours~と題した第3部では、ミリオンセラーとなり90年代を代表するヒット曲として人気の28thシングル「浅い眠り」、「夜行」を熱唱、最後は「ジョークにしないか」を軽やかに披露した。
シングル曲にこだわらず、中島みゆきが”今こそ聴いて欲しい曲”を選び歌唱したのも今回のコンサートの特徴で、聴けば聴くほどその魅力が増してくる曲ばかりとなった。
同公演のコンサートが収録された本作は、ズーム等によるカメラワークでステージ上の中島みゆきの凛として歌う姿やその眼差し、そしてこだわりぬいた数々の衣装を間近に感じられるよう、また「歌」に込めた詞が聞き取り易いよう収録されており、コンサート会場での鑑賞とはまた違った映像作品ならではの魅力に溢れた内容となった。
また、今回の『一会』で披露された歌は、歌詞の意味を噛みしめながらじっくり聴きたい楽曲が多かったため、それぞれの歌詞の世界を存分に味わえるよう1カット、1カットを長めに仕上げてあることも特徴。
カメラやクレーンの撮影設置場や映像編集にこだわることでコンサート会場の座席からでは観ることのできない迫力のあるシーンも多数収録されており、会場でご覧になった方は勿論、コンサートに足を運ぶことが出来なかった方も楽しめる作品となった。
「命の別名」、「夜行」以外の18曲がコンサートとしては初映像化ということも本作の大きなトピック。
「麦の唄」の歌唱など、感動を呼んだ中島みゆきの『一会』コンサートを御自宅でもお楽しみください。
1. もう桟橋に灯りは点らない (第1部 ~Sweet~)
2. やまねこ (第1部 ~Sweet~)
3. ピアニシモ (第1部 ~Sweet~)
4. 六花 (第1部 ~Sweet~)
5. 樹高千丈 落葉帰根 (第1部 ~Sweet~)
6. 旅人のうた (第1部 ~Sweet~)
7. あなた恋していないでしょ (第1部 ~Sweet~)
8. ライカM4 (第1部 ~Sweet~)
9. MEGAMI (第1部 ~Sweet~)
10. ベッドルーム (第2部 ~Bitter~)
11. 空がある限り (第2部 ~Bitter~)
12. 友情 (第2部 ~Bitter~)
13. 阿檀の木の下で (第2部 ~Bitter~)
14. 命の別名 (第2部 ~Bitter~)
15. Why & No (第2部 ~Bitter~)
16. 流星 (第2部 ~Bitter~)
17. 麦の唄 (第2部 ~Bitter~)
18. 浅い眠り (第3部 ~Sincerely Yours~)
19. 夜行 (第3部 ~Sincerely Yours~)
20. ジョークにしないか (第3部 ~Sincerely Yours~)